おれはキャプテン 7 (7)
2007年3月9日 ショウ コメント (6)
ISBN:4063634884 コミック コージィ城倉 講談社 2005/02/17 ¥420
〜あらすじ〜
最後のFinals予選、川崎予選に出場したショウ。
最終戦IDで抜けられるラインだったが。
〜第8話〜
「・・・コウタ!!!111」
「悪いな、おれは勝ち縛りだ。ガチだな。」
ショウは7−1、コウタは6−1−1。ショウは不運なことに下のラインーしかも友人であるコウタと当たる羽目となった。
お互い勝てば初めてのFinals本戦出場だ。どちらかと言うまでもなく口数は減り、ゲームが始まった。
先手はコウタが取った。ショウはBDWに対しコウタはUBコントール、通称ドラルヌコンと呼ばれているデックだ。メインでの相性ではショウに分があるためにコウタにとっては喉から手が出る程欲しかった先手だ。
「キープ」「キープ!!!」
マリガンなしでゲームが開始された。
コウタはコントロールらしくセットランドしてGO。
7−1のスコアで勝ち上がってるショウはその勢い通り《サバンナ・ライオン/Savannah Lions》から。コウタは若干眉をしかめるも返しのターンはDrawGo。
ショウは《ライオン》でアタック後に《聖なる後光の騎士/Knight of the Holy Nimbus(TSP)》。それには《差し戻し/Remand(RAV)》、ショウに主導権を渡すまいとする。
コウタは《ディミーアの印鑑/Dimir Signet(RAV)》でマナを伸ばしながらエンド。
ショウの第3ターン。《聖なる後光の騎士/Knight of the Holy Nimbus(TSP)》は《マナ漏出/Mana Leak》されるもライオンが静かにライフを削る。余ったマナで《裂け目の稲妻/Rift Bolt(TSP)》を待機。
コウタは5マナオープンの状態でGo。
ショウもその空気を悟るもとりあえず、と本体へ待機の解けた《稲妻》をコウタに叩き込む。これでコウタのライフは13に落ち込んだ。
もちろんショウが気付いたのは《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir(TSP)》だ。このまま《ライオン》が突撃しても正に犬死にだ。コウタのライフは13もある。先手後手の差が出て来ている計算だ。だがここで悩んでもしゃーない、ショウは《ライオン》を突撃させる。
ショウはじっ、とコウタの動きを見つめる。すると、コウタは《テフェリー》を叩きつけそのまま《ライオン》をブロック。
ショウは苦虫を噛み潰すように《テフェリー》に《火山の鎚/Volcanic Hammer》を振り下ろし、その後《サルタリーの僧侶/Soltari Priest(TSP)》。クロックを維持する。
返しのコウタの動きは土地を置いて静かにエンド。手札はコウタが4枚、ショウも4枚だ。
ショウのターンに入り手札は5枚。《サルタリーの僧侶/Soltari Priest(TSP)》をレッドゾーンに突っ込ませた後、土地をセットしつつ2枚目の《サルタリーの僧侶/Soltari Priest(TSP)》。これが通る。勢いにまかせてこれまた2枚目の《裂け目の稲妻/Rift Bolt(TSP)》を待機させてエンド。グッと流れを引き寄せる。ショウのEoTにコウタは《神秘の指導/Mystical Teachings(TSP)》。持って来たのは1枚刺しの《暗黒破/Darkblast(RAV)》!そのまま《僧侶》を1体。自分のターンのドローステップに発掘しもう1体。ショウのクロックを壊滅させた。
お互いに大きな動きを見せた次のターン。ショウの《稲妻》がコウタのライフを抉る。残りは8だ。ここでショウは力なくお帰りランドをセットしてエンド。それを見たコウタは《神秘の指導/Mystical Teachings(TSP)》をフラッシュバックで。持ってくるカードは2枚目の《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir(TSP)》だ。
コウタはDrawGo。しかしショウのターンに《テフェリー》が出ることは分かっている。ショウのドローしたカードはまたも土地。まさにおじいちゃんだ。悔しそうにエンドするとコウタは《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir(TSP)》を叩きつける。
そのまま2枚目の《神秘の指導/Mystical Teachings(TSP)》→《死者の王、ドラルヌ/Dralnu, Lich Lord(TSP)》。そしてダメ押しの《骸骨の吸血鬼/Skeletal Vampire(GPT)》がショウを蹂躙した。
ショウ0−1コウタ
game2が始まる。この辺りからFinals本戦のチケットへの1戦を見ようとギャラリーが集まっていた。応援に来ていたヒデ、そして予定調和に最終戦もレイプされたユウジも見守っていた。
いわゆる「負け先」でショウが先手だ。手札を見るなりマリガン。マリガン後の6枚を見ると満足そうにキープ。コウタはそのまま7枚の手札をキープした。
ショウはgame1での敗北に打ち克つように《サバンナ・ライオン/Savannah Lions》スタート。コウタは顔には出さないが半キレだろう。コウタは《地底の大河/Underground River》をセットしてエンド。
ショウの第2ターン。《暗黒破/Darkblast(RAV)》が無いことを祈りながら《ライオン》をレッドゾーンに送り込む。コウタはスルーし、まずはショウがリードの形だ。そのまま手札を見て小考する。《聖なる後光の騎士/Knight of the Holy Nimbus(TSP)》がある、が。
ショウは《呪文嵌め/Spell Snare(DIS)》を警戒して《アイケイシアの投槍兵/Icatian Javelineers(TSP)》、《裂け目の稲妻/Rift Bolt(TSP)》を待機を選択。
返しのターンのコウタはいつも通りDrawGo。ショウにターンが戻り《稲妻》を本体、2体のクリーチャーでアタック。このターンで一気にコウタのライフは12にまで落ち込むこととなった。ショウはエンド。コウタはEoTに《熟慮/Think Twice(TSP)》を打つが、ショウは待ってましたと言わんばかりに《黒焦げ/Char(RAV)》を本体へ。ここでコウタは《地底の大河/Underground River》から青マナを出したためにライフは7となった。
コウタのハンドにはリアクションスペルと土地しか集まらない。その後の火力は捌くものの、ショウのクロックが止まることはなかった。
ショウ1−1コウタ
残り時間は20分。どうやら時間切れになることはなさそうだ。二人とも入念にシャッフル。ショウはしきりに手の汗を拭きながらのシャッフルだ。そして最後のgame3が始まった。
先手はコウタ。共に1マリガンから開始。
コウタは《湿った墓/Watery Grave(RAV)》を寝かせてセット。
ショウは《聖なる鋳造所/Sacred Foundry(RAV)》をアンタップイン。コウタは眉をしかめるも今回は《アイケイシアの投槍兵/Icatian Javelineers(TSP)》から。
コウタはほっ、としながらDrawGo。
ショウは《投槍兵》で殴りつつ《聖なる後光の騎士/Knight of the Holy Nimbus(TSP)》。これには《呪文嵌め/Spell Snare(DIS)》が刺さる。
コウタは土地を置くだけに留まり、ショウにターンが返る。《投槍兵》でアタックしつつ《サルタリーの僧侶/Soltari Priest(TSP)》。これが通り《裂け目の稲妻/Rift Bolt(TSP)》を待機。この時点でショウの手札は2枚だ。そのターンエンドにコウタは《熟慮/Think Twice(TSP)》を。
コウタは《ディミーアの印鑑/Dimir Signet(RAV)》を置きながらエンド。ショウの待機明けの《裂け目の稲妻/Rift Bolt(TSP)》は解決され2体でアタック。
ここでコウタは長考する。
悩んだ結果2枚目の《熟慮/Think Twice(TSP)》。そのまま《暗黒破/Darkblast(RAV)》を叩きつける。対象はもちろん《僧侶》だ。《投槍兵》のダメージのみが通りコウタのライフは15。返しのターンで《投槍兵》が殺されることを考えるとここでクロックを用意しておきたいショウだが、《黒焦げ/Char(RAV)》を打つのみに終わる。残りは11だ。
コウタはもちろん発掘し《暗黒破/Darkblast(RAV)》を残った1/1クリーチャーに。土地を置いてGo。
ショウの手札は土地のみ。祈りながらドローすると《火山の鎚/Volcanic Hammer》。とりあえずキャストしてみるとスタックでコウタは《熟慮/Think Twice(TSP)》のフラッシュバック。後に通し、ライフは8となる。
コウタは土地を置いてエンド。ハンドは3枚だ。墓地にもう1枚《熟慮/Think Twice(TSP)》があることを考えると4枚。
対するショウのドローは《ボロスの駐屯地/Boros Garrison(RAV)》。渋々セットしてエンド。コウタはEoTに《神秘の指導/Mystical Teachings(TSP)》を。持ってくるのはもちろん《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir(TSP)》だ。
コウタはドローをするなりエンド。ショウを睨み付ける。
ショウの手は汗まみれになっていた。この1戦がどれだけ大事なのか、また多くのギャラリーに囲まれていることもその要因だった。手をシャツで拭くと力を込めてドロー。
値千金の《ワイルドファイアの密使/Wildfire Emissary(TSP)》だったが、もちろんそれには《取り消し/Cancel(TSP)》。だがおかげでこのターンコウタは《テフェリー》を出すマナが無くなった。
コウタは土地を置きながらエンド。ショウのドローは汗でくっ付いていてぺりっと剥がしてから。それは《稲妻のらせん/Lightning Helix(RAV)》。そのままエンドすると当然コウタは《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir(TSP)》!
スタックでとりあえず、と《稲妻のらせん/Lightning Helix(RAV)》をコウタへ。カウンターを《マナ漏出/Mana Leak》しか持ってないコウタは渋々通す。残りは5。ゲームの行方はまだまだ分からない。
コウタのターンに返るなり《テフェリー》をレッドゾーンへ。ここで初めてショウのライフがコウタによって削られる。これまで自分で受けたダメージなどによりショウのライフは11に。コウタは土地を置いてエンド。
ショウのドローステップ。力強く引き込むも土地。セットし、残った手札は1枚のランド。自分のライブラリーを睨み付けエンドした。
コウタはそのエンドを聞くなり《神秘の指導/Mystical Teachings(TSP)》をフラッシュバック。《骸骨の吸血鬼/Skeletal Vampire(GPT)》をサーチしゲームを支配し始めた。
自分のターンに戻り《テフェリー》でアタック。静かに、そして力強くターンエンドを告げる。次のターンでお前の負けだぞ。そう言っているようにショウは思った。
ショウの実質最後のターン。アンタップ、アップキープ。自分の手札を見つめる。《戦場の鍛冶場/Battlefield Forge》だ。
ターンを返したら負ける。しかし、この絶体絶命の状態でも勝てるカードが1枚ライブラリーに残っている。
「んーやっぱりコントロールに土地引き過ぎると負けちゃうな・・・」
「だったらこれを入れてみたらどうだい?1枚とか2枚なら入れてる人もいるし、BDWに入れても邪魔にならないと思うよ。」
「確かに!!!トロン専用って訳じゃないですもね!!!111」
大会前の調整でヒデに助言をもらい、そのカードを持ってなかったショウはユウジにシャークしてそれを手に入れた。
「(・・・《悪魔火/Demonfire(DIS)》しかだめだな。だが、引ければ勝ちだ!!!111)」
ショウは深呼吸すると、一気にライブラリーのトップを叩きつけた。
《悪魔火/Demonfire(DIS)》
ショウ2−1コウタ
一斉に拍手が起こった。コウタは呆然と、そのカードを見つめていた。ややあって、コウタは笑いながらショウに手を差し出した。
「いいトップデックだ。本戦頑張れよ。」
「おう!!!いいゲームだったな、コウタ!!!111」
ショウは満面の笑みを浮かべた。
「つかお前、汗かきすぎだから。」
コウタは自分の手のひらを見つめながら言った。
「ああ、ごめんごめん!!!緊張しちゃってさ!!!」
エントリースリップに結果、サインを記した後にデッキを片付け始めた。ショウが自分を勝利に導いてくれた《悪魔火/Demonfire(DIS)》を大事そうにライブラリーに戻そうとした。その時。
「(・・・ん、何か変だな。)」
《悪魔火/Demonfire(DIS)》はショウの汗でもう1枚のカードとくっ付いていた。ぴったりとくっ付いていて、ぱっと見では1枚のカードにしか見えない。手に取ってみないと分からない程だ。
「(・・・どうしよう。)」
数秒の内に、ショウの頭の中で色々なことがフラッシュバックした。みんなで調整したこと、初めて草の根大会で入賞したこと、そして、今日の大会が楽しみでーまた怖くて眠れなかった昨日の夜のこと。
ショウは静かに2枚のカードをライブラリーに戻した。
「(・・・これでいいんだ。ゲームは終わった。おれは勝ったんだ。)」
デッキケースに戻し、鞄にしまうと思い出した。ヒデに勝利を報告しなくては。実際にゲームを見ていたはずだが、辺りを見渡すとアホ面したユウジしかいない。
「なぁ、ユウジ。ヒデさんは?」
「あれ、いないね〜煙草吸い行ったんじゃない!?」
「あ、そっか!!!」
ショウは喫煙所へ走った。そこにはヒデが一人で煙草を吸っていた。
「ヒデさん!!!おれ、Finals出れますよ!!!エクテンの練習しましょう!!!111」
嬉々と話しかけてきたショウを見ると、ヒデは悲しそうな目で見た。
「・・・ってことは言わなかったんだね?」
ショウの顔が蒼白となった。
〜つづく〜
〜あらすじ〜
最後のFinals予選、川崎予選に出場したショウ。
最終戦IDで抜けられるラインだったが。
〜第8話〜
「・・・コウタ!!!111」
「悪いな、おれは勝ち縛りだ。ガチだな。」
ショウは7−1、コウタは6−1−1。ショウは不運なことに下のラインーしかも友人であるコウタと当たる羽目となった。
お互い勝てば初めてのFinals本戦出場だ。どちらかと言うまでもなく口数は減り、ゲームが始まった。
先手はコウタが取った。ショウはBDWに対しコウタはUBコントール、通称ドラルヌコンと呼ばれているデックだ。メインでの相性ではショウに分があるためにコウタにとっては喉から手が出る程欲しかった先手だ。
「キープ」「キープ!!!」
マリガンなしでゲームが開始された。
コウタはコントロールらしくセットランドしてGO。
7−1のスコアで勝ち上がってるショウはその勢い通り《サバンナ・ライオン/Savannah Lions》から。コウタは若干眉をしかめるも返しのターンはDrawGo。
ショウは《ライオン》でアタック後に《聖なる後光の騎士/Knight of the Holy Nimbus(TSP)》。それには《差し戻し/Remand(RAV)》、ショウに主導権を渡すまいとする。
コウタは《ディミーアの印鑑/Dimir Signet(RAV)》でマナを伸ばしながらエンド。
ショウの第3ターン。《聖なる後光の騎士/Knight of the Holy Nimbus(TSP)》は《マナ漏出/Mana Leak》されるもライオンが静かにライフを削る。余ったマナで《裂け目の稲妻/Rift Bolt(TSP)》を待機。
コウタは5マナオープンの状態でGo。
ショウもその空気を悟るもとりあえず、と本体へ待機の解けた《稲妻》をコウタに叩き込む。これでコウタのライフは13に落ち込んだ。
もちろんショウが気付いたのは《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir(TSP)》だ。このまま《ライオン》が突撃しても正に犬死にだ。コウタのライフは13もある。先手後手の差が出て来ている計算だ。だがここで悩んでもしゃーない、ショウは《ライオン》を突撃させる。
ショウはじっ、とコウタの動きを見つめる。すると、コウタは《テフェリー》を叩きつけそのまま《ライオン》をブロック。
ショウは苦虫を噛み潰すように《テフェリー》に《火山の鎚/Volcanic Hammer》を振り下ろし、その後《サルタリーの僧侶/Soltari Priest(TSP)》。クロックを維持する。
返しのコウタの動きは土地を置いて静かにエンド。手札はコウタが4枚、ショウも4枚だ。
ショウのターンに入り手札は5枚。《サルタリーの僧侶/Soltari Priest(TSP)》をレッドゾーンに突っ込ませた後、土地をセットしつつ2枚目の《サルタリーの僧侶/Soltari Priest(TSP)》。これが通る。勢いにまかせてこれまた2枚目の《裂け目の稲妻/Rift Bolt(TSP)》を待機させてエンド。グッと流れを引き寄せる。ショウのEoTにコウタは《神秘の指導/Mystical Teachings(TSP)》。持って来たのは1枚刺しの《暗黒破/Darkblast(RAV)》!そのまま《僧侶》を1体。自分のターンのドローステップに発掘しもう1体。ショウのクロックを壊滅させた。
お互いに大きな動きを見せた次のターン。ショウの《稲妻》がコウタのライフを抉る。残りは8だ。ここでショウは力なくお帰りランドをセットしてエンド。それを見たコウタは《神秘の指導/Mystical Teachings(TSP)》をフラッシュバックで。持ってくるカードは2枚目の《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir(TSP)》だ。
コウタはDrawGo。しかしショウのターンに《テフェリー》が出ることは分かっている。ショウのドローしたカードはまたも土地。まさにおじいちゃんだ。悔しそうにエンドするとコウタは《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir(TSP)》を叩きつける。
そのまま2枚目の《神秘の指導/Mystical Teachings(TSP)》→《死者の王、ドラルヌ/Dralnu, Lich Lord(TSP)》。そしてダメ押しの《骸骨の吸血鬼/Skeletal Vampire(GPT)》がショウを蹂躙した。
ショウ0−1コウタ
game2が始まる。この辺りからFinals本戦のチケットへの1戦を見ようとギャラリーが集まっていた。応援に来ていたヒデ、そして予定調和に最終戦もレイプされたユウジも見守っていた。
いわゆる「負け先」でショウが先手だ。手札を見るなりマリガン。マリガン後の6枚を見ると満足そうにキープ。コウタはそのまま7枚の手札をキープした。
ショウはgame1での敗北に打ち克つように《サバンナ・ライオン/Savannah Lions》スタート。コウタは顔には出さないが半キレだろう。コウタは《地底の大河/Underground River》をセットしてエンド。
ショウの第2ターン。《暗黒破/Darkblast(RAV)》が無いことを祈りながら《ライオン》をレッドゾーンに送り込む。コウタはスルーし、まずはショウがリードの形だ。そのまま手札を見て小考する。《聖なる後光の騎士/Knight of the Holy Nimbus(TSP)》がある、が。
ショウは《呪文嵌め/Spell Snare(DIS)》を警戒して《アイケイシアの投槍兵/Icatian Javelineers(TSP)》、《裂け目の稲妻/Rift Bolt(TSP)》を待機を選択。
返しのターンのコウタはいつも通りDrawGo。ショウにターンが戻り《稲妻》を本体、2体のクリーチャーでアタック。このターンで一気にコウタのライフは12にまで落ち込むこととなった。ショウはエンド。コウタはEoTに《熟慮/Think Twice(TSP)》を打つが、ショウは待ってましたと言わんばかりに《黒焦げ/Char(RAV)》を本体へ。ここでコウタは《地底の大河/Underground River》から青マナを出したためにライフは7となった。
コウタのハンドにはリアクションスペルと土地しか集まらない。その後の火力は捌くものの、ショウのクロックが止まることはなかった。
ショウ1−1コウタ
残り時間は20分。どうやら時間切れになることはなさそうだ。二人とも入念にシャッフル。ショウはしきりに手の汗を拭きながらのシャッフルだ。そして最後のgame3が始まった。
先手はコウタ。共に1マリガンから開始。
コウタは《湿った墓/Watery Grave(RAV)》を寝かせてセット。
ショウは《聖なる鋳造所/Sacred Foundry(RAV)》をアンタップイン。コウタは眉をしかめるも今回は《アイケイシアの投槍兵/Icatian Javelineers(TSP)》から。
コウタはほっ、としながらDrawGo。
ショウは《投槍兵》で殴りつつ《聖なる後光の騎士/Knight of the Holy Nimbus(TSP)》。これには《呪文嵌め/Spell Snare(DIS)》が刺さる。
コウタは土地を置くだけに留まり、ショウにターンが返る。《投槍兵》でアタックしつつ《サルタリーの僧侶/Soltari Priest(TSP)》。これが通り《裂け目の稲妻/Rift Bolt(TSP)》を待機。この時点でショウの手札は2枚だ。そのターンエンドにコウタは《熟慮/Think Twice(TSP)》を。
コウタは《ディミーアの印鑑/Dimir Signet(RAV)》を置きながらエンド。ショウの待機明けの《裂け目の稲妻/Rift Bolt(TSP)》は解決され2体でアタック。
ここでコウタは長考する。
悩んだ結果2枚目の《熟慮/Think Twice(TSP)》。そのまま《暗黒破/Darkblast(RAV)》を叩きつける。対象はもちろん《僧侶》だ。《投槍兵》のダメージのみが通りコウタのライフは15。返しのターンで《投槍兵》が殺されることを考えるとここでクロックを用意しておきたいショウだが、《黒焦げ/Char(RAV)》を打つのみに終わる。残りは11だ。
コウタはもちろん発掘し《暗黒破/Darkblast(RAV)》を残った1/1クリーチャーに。土地を置いてGo。
ショウの手札は土地のみ。祈りながらドローすると《火山の鎚/Volcanic Hammer》。とりあえずキャストしてみるとスタックでコウタは《熟慮/Think Twice(TSP)》のフラッシュバック。後に通し、ライフは8となる。
コウタは土地を置いてエンド。ハンドは3枚だ。墓地にもう1枚《熟慮/Think Twice(TSP)》があることを考えると4枚。
対するショウのドローは《ボロスの駐屯地/Boros Garrison(RAV)》。渋々セットしてエンド。コウタはEoTに《神秘の指導/Mystical Teachings(TSP)》を。持ってくるのはもちろん《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir(TSP)》だ。
コウタはドローをするなりエンド。ショウを睨み付ける。
ショウの手は汗まみれになっていた。この1戦がどれだけ大事なのか、また多くのギャラリーに囲まれていることもその要因だった。手をシャツで拭くと力を込めてドロー。
値千金の《ワイルドファイアの密使/Wildfire Emissary(TSP)》だったが、もちろんそれには《取り消し/Cancel(TSP)》。だがおかげでこのターンコウタは《テフェリー》を出すマナが無くなった。
コウタは土地を置きながらエンド。ショウのドローは汗でくっ付いていてぺりっと剥がしてから。それは《稲妻のらせん/Lightning Helix(RAV)》。そのままエンドすると当然コウタは《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir(TSP)》!
スタックでとりあえず、と《稲妻のらせん/Lightning Helix(RAV)》をコウタへ。カウンターを《マナ漏出/Mana Leak》しか持ってないコウタは渋々通す。残りは5。ゲームの行方はまだまだ分からない。
コウタのターンに返るなり《テフェリー》をレッドゾーンへ。ここで初めてショウのライフがコウタによって削られる。これまで自分で受けたダメージなどによりショウのライフは11に。コウタは土地を置いてエンド。
ショウのドローステップ。力強く引き込むも土地。セットし、残った手札は1枚のランド。自分のライブラリーを睨み付けエンドした。
コウタはそのエンドを聞くなり《神秘の指導/Mystical Teachings(TSP)》をフラッシュバック。《骸骨の吸血鬼/Skeletal Vampire(GPT)》をサーチしゲームを支配し始めた。
自分のターンに戻り《テフェリー》でアタック。静かに、そして力強くターンエンドを告げる。次のターンでお前の負けだぞ。そう言っているようにショウは思った。
ショウの実質最後のターン。アンタップ、アップキープ。自分の手札を見つめる。《戦場の鍛冶場/Battlefield Forge》だ。
ターンを返したら負ける。しかし、この絶体絶命の状態でも勝てるカードが1枚ライブラリーに残っている。
「んーやっぱりコントロールに土地引き過ぎると負けちゃうな・・・」
「だったらこれを入れてみたらどうだい?1枚とか2枚なら入れてる人もいるし、BDWに入れても邪魔にならないと思うよ。」
「確かに!!!トロン専用って訳じゃないですもね!!!111」
大会前の調整でヒデに助言をもらい、そのカードを持ってなかったショウはユウジにシャークしてそれを手に入れた。
「(・・・《悪魔火/Demonfire(DIS)》しかだめだな。だが、引ければ勝ちだ!!!111)」
ショウは深呼吸すると、一気にライブラリーのトップを叩きつけた。
《悪魔火/Demonfire(DIS)》
ショウ2−1コウタ
一斉に拍手が起こった。コウタは呆然と、そのカードを見つめていた。ややあって、コウタは笑いながらショウに手を差し出した。
「いいトップデックだ。本戦頑張れよ。」
「おう!!!いいゲームだったな、コウタ!!!111」
ショウは満面の笑みを浮かべた。
「つかお前、汗かきすぎだから。」
コウタは自分の手のひらを見つめながら言った。
「ああ、ごめんごめん!!!緊張しちゃってさ!!!」
エントリースリップに結果、サインを記した後にデッキを片付け始めた。ショウが自分を勝利に導いてくれた《悪魔火/Demonfire(DIS)》を大事そうにライブラリーに戻そうとした。その時。
「(・・・ん、何か変だな。)」
《悪魔火/Demonfire(DIS)》はショウの汗でもう1枚のカードとくっ付いていた。ぴったりとくっ付いていて、ぱっと見では1枚のカードにしか見えない。手に取ってみないと分からない程だ。
「(・・・どうしよう。)」
数秒の内に、ショウの頭の中で色々なことがフラッシュバックした。みんなで調整したこと、初めて草の根大会で入賞したこと、そして、今日の大会が楽しみでーまた怖くて眠れなかった昨日の夜のこと。
ショウは静かに2枚のカードをライブラリーに戻した。
「(・・・これでいいんだ。ゲームは終わった。おれは勝ったんだ。)」
デッキケースに戻し、鞄にしまうと思い出した。ヒデに勝利を報告しなくては。実際にゲームを見ていたはずだが、辺りを見渡すとアホ面したユウジしかいない。
「なぁ、ユウジ。ヒデさんは?」
「あれ、いないね〜煙草吸い行ったんじゃない!?」
「あ、そっか!!!」
ショウは喫煙所へ走った。そこにはヒデが一人で煙草を吸っていた。
「ヒデさん!!!おれ、Finals出れますよ!!!エクテンの練習しましょう!!!111」
嬉々と話しかけてきたショウを見ると、ヒデは悲しそうな目で見た。
「・・・ってことは言わなかったんだね?」
ショウの顔が蒼白となった。
〜つづく〜
コメント
1本目で《裂け目の稲妻/Rift Bolt(TSP)》待機してあるなら
テフェリーをメインでだすよねw
ってことで許してw
それにしても、シュウも遂にここまで成長したのかw最初のころはシャークされたりゴブリンキングが最強だったり、、、、、
何か懐かしいのう、、、
大変でしょうけど、草葉の陰から続き期待してますwww
暇なときに書いてください。
コウタを攻めないで!!!
>AKKA
そうそう、流石はAKKAさん。分かってらっしゃるw
環境は人を変えるですぜ。
デッキ構築頑張ってください!!!111