おれはキャプテン 10 (10)
2008年5月18日 ショウ コメント (3)ISBN:4063635414 コミック コージィ城倉 講談社 2006/2/17 ¥420
〜あらすじ〜
Finals予選にて汚れた勝利を自らの手で蹴ったショウはその後、FNM優勝などの実力を持つプレイヤーに育った。
〜第10話〜
・・・
「ここが静岡か。初めてキタZEッ!!!」
「はは、コケるぞ・・・ショウ!」
勢いよく新幹線から飛び降りたショウを笑いながら軽口を叩くコータ。その後をユウジが続く。
いよいよGP静岡が始まる。もちろん3月の上旬といえば平日には学校がある。彼らは土曜日の朝早くから東京を発ち、静岡を目指した。
「やっぱ遠征っていいな!ワクワクすんぞッ・・・!!!」
「新幹線で爆睡してたくせにテンション高いな。まあいいや。先に兄貴も会場行ってるから急ぐぞ」
大会のエントリーはヒデに前日受付を頼んである。後は会場に行くのみ。
・・・
「ここがGP会場かぁ・・・大きいね、ショウちゃん!」
「ああ、いよいよ来たんだなって感じがするぜ!!!」
MTGを始めてから初のGP参加。この高揚感はショウでなくても抑えきれない。
「コータ、こっちだ!」
テンションの高い3人組を見付けたヒデが近寄ってくる。
「あ、ヒデさん!!!おはようっす!!!」
「おーショウくん。デッキはちゃんと出来たかい?」
「もちろんですよッ!こいつでGPを駆け抜けるッ・・・!!」
デッキシートに記入し、ほどなくしてGP静岡が開幕した。ユウジはGPTの功績により3Bye、ヒデとコータはRatingにより2Bye。そしてショウはRatingが1790なため1回戦からスタートだ。
「・・・それじゃ行ってきます、ヒデさん!!!」
「ああ、今までいっぱい練習したんだ。行ってこい!」
「頑張ってね、ショウちゃん!」
「いきなり負けんじゃねーぞ、ショウ」
皆から背中を押され、ショウは1回戦目に挑んだ。
相手は見るからに怪しいおっさん。ねちっこい口調が特徴的だ。しかしこういったウザプレイヤーにも散々草の根大会で対戦してきたショウには対処法は熟知してあった。
「んーくそう、ここで土地引ければ勝ってたんだけどねー、君はトップデッキ強いねー、でもあそこのプレイはどうかなー?」
「あはは、そうですね!でも土地引けててもおれの手札最強でしたからどっちにしろ勝ってましたよ!」
ウザプレイヤーとの会話は流す。煽りプレイヤーには煽り返してあげる。現在AOY(煽りof the Year)を目指しているプレイヤーから聞いた方法だ。ウザプレイヤーにウザく絡む方法もあるがこれは諸刃の剣なので使わないことにしている。
「有難うございましたッ!」
赤単バーンを駆り1回戦目を白星で飾ったショウ。その後も2-0まで駆け抜け、ヒデとコータも出陣する。
「頑張ってるな、ショウくん。おれ達も負けられないぜ、コータ」
「ああ、ショウより先に負ける訳にはいかねーよな」
「フフ・・・コータ、GPの最終順位で勝負するか?負けたらラーメン奢りな!」
ショウの3回戦目の相手はUBフェアリー。相性は圧倒的にショウが有利。マリガンを挟みつつもフルボッコにした。
「コータ、どうだった!?ちなみにおれは勝ったZE!」
「負けたよ・・・土地詰まっちまった」
「そっか、おれが一歩リードって訳だな!ヒデさんは?」
「ああ、勝ったみたいだぜ。兄貴のヒバリデッキはよく出来てるからな」
外の喫煙所を見るとヒデは友人と談笑している様だ。しかしヒデの友人は見た目がヤクザみたいな人が居たりで絡みに行けない。そのヤクザみたいな人は初心者の頃に対戦した経験がある。
その後もショウは快進撃を続ける。6−0と後1つ勝てば『初日確定ライン』だ。ヒデも6−0でコータは5−1。ユウジは3Bye明けに2連敗するも4−2で“サブマリンのユウジ”の名は健在だ。
そしていよいよ7回戦目が始まる。テーブルの正面に座ったのはどっかで見たことのある顔だ。そうだ、先に行われたGP北九州のチャンピオンだ・・・!
「お、お願いしますッ!」
「お願いします」
相手のデッキは青白ヒバリ。ヒデさんとのスパーで何度も対戦している。しかし。
「《エイヴンの裂け目追い/Aven Riftwatcher(PLC)》をプレイ。2ライフゲインします」
「(・・・クッ、2枚目はきつい)」
GPTin千葉にて『バーンの殿堂』が赤単を全国に知らしめてしまった。その代償がこの《エイヴンの裂け目追い/Aven Riftwatcher(PLC)》。その後も《目覚ましヒバリ/Reveillark(MOR)》により墓地から目を覚ましたエイヴンたちがショウのバーンの届かないライフへと伸ばしていった。通算6−1。
ヒデは安定した実力で7−0の初日抜け確定。コータ6−1、ユウジも5−2とまだ目がある。
第8回戦。普通の大会であれば最終戦に当たるであろうが、ここはGP。当然あと『二つ』だ。
ショウの相手は赤緑ビッグマナ。当然《原初の命令/Primal Command(LRW)》が装備されているこのデッキ、気を引き締めなければならない。しかし、先ほどの敗北に心折れることもなくショウは乗っていた。
「《怒鳴りつけ/Browbeat(TSP)》ッ・・・!」
ライフ4の相手にとっては拷問だ。いつものポーズと共にカードを叩きつける。引いたカードの中には、相手を燃やし尽くすには十分な赤いカードで溢れかえっていた。
「ヒデさん!7−1だッ、抜けましたよ!」
「やるなショウくん。どうやらコータとユウジくんは負けちゃったみたいだが・・・」
紫煙をしかめっ面で吐きながら言った。そんなヒデは未だ負け知らずの8−0。喫煙所にいたショウの知らない仲間たちと軽口を叩き合っているヒデが眩しく見えた。おれも・・・ヒデさんに負けないぞ。
GP静岡初日最終戦。ショウはIDを蹴りガチった。その勢いのまま、事故の所を《原初の命令/Primal Command(LRW)》を打たれ力尽きた。初日7−2でフィニッシュ。
コータも何とか7−2で初日抜け。ユウジは最後勝てばオポ次第で抜けだったが、5−4。
「じゃあショウくん。おれは他の宿だから気を付けてな」
「はい!明日も頑張りましょう!!!」
ショウたち3人は宿にチェックインし、近くのファーストフード店へ。飯にそこまでの金は使えない。
「コータ、勝負の話忘れてないだろうな!?」
「おまえこそ。7−2で並んでの2日目だ。Dropすんじゃねーぞ」
明日はどのサイドイベントに出ようかと考えているユウジはそんな二人のやり取りを羨ましそうに眺めている。
宿に戻ると早起きに加え、9回戦戦い抜いた3人は泥の様に眠りについた。
〜つづく〜
〜あらすじ〜
Finals予選にて汚れた勝利を自らの手で蹴ったショウはその後、FNM優勝などの実力を持つプレイヤーに育った。
〜第10話〜
・・・
「ここが静岡か。初めてキタZEッ!!!」
「はは、コケるぞ・・・ショウ!」
勢いよく新幹線から飛び降りたショウを笑いながら軽口を叩くコータ。その後をユウジが続く。
いよいよGP静岡が始まる。もちろん3月の上旬といえば平日には学校がある。彼らは土曜日の朝早くから東京を発ち、静岡を目指した。
「やっぱ遠征っていいな!ワクワクすんぞッ・・・!!!」
「新幹線で爆睡してたくせにテンション高いな。まあいいや。先に兄貴も会場行ってるから急ぐぞ」
大会のエントリーはヒデに前日受付を頼んである。後は会場に行くのみ。
・・・
「ここがGP会場かぁ・・・大きいね、ショウちゃん!」
「ああ、いよいよ来たんだなって感じがするぜ!!!」
MTGを始めてから初のGP参加。この高揚感はショウでなくても抑えきれない。
「コータ、こっちだ!」
テンションの高い3人組を見付けたヒデが近寄ってくる。
「あ、ヒデさん!!!おはようっす!!!」
「おーショウくん。デッキはちゃんと出来たかい?」
「もちろんですよッ!こいつでGPを駆け抜けるッ・・・!!」
デッキシートに記入し、ほどなくしてGP静岡が開幕した。ユウジはGPTの功績により3Bye、ヒデとコータはRatingにより2Bye。そしてショウはRatingが1790なため1回戦からスタートだ。
「・・・それじゃ行ってきます、ヒデさん!!!」
「ああ、今までいっぱい練習したんだ。行ってこい!」
「頑張ってね、ショウちゃん!」
「いきなり負けんじゃねーぞ、ショウ」
皆から背中を押され、ショウは1回戦目に挑んだ。
相手は見るからに怪しいおっさん。ねちっこい口調が特徴的だ。しかしこういったウザプレイヤーにも散々草の根大会で対戦してきたショウには対処法は熟知してあった。
「んーくそう、ここで土地引ければ勝ってたんだけどねー、君はトップデッキ強いねー、でもあそこのプレイはどうかなー?」
「あはは、そうですね!でも土地引けててもおれの手札最強でしたからどっちにしろ勝ってましたよ!」
ウザプレイヤーとの会話は流す。煽りプレイヤーには煽り返してあげる。現在AOY(煽りof the Year)を目指しているプレイヤーから聞いた方法だ。ウザプレイヤーにウザく絡む方法もあるがこれは諸刃の剣なので使わないことにしている。
「有難うございましたッ!」
赤単バーンを駆り1回戦目を白星で飾ったショウ。その後も2-0まで駆け抜け、ヒデとコータも出陣する。
「頑張ってるな、ショウくん。おれ達も負けられないぜ、コータ」
「ああ、ショウより先に負ける訳にはいかねーよな」
「フフ・・・コータ、GPの最終順位で勝負するか?負けたらラーメン奢りな!」
ショウの3回戦目の相手はUBフェアリー。相性は圧倒的にショウが有利。マリガンを挟みつつもフルボッコにした。
「コータ、どうだった!?ちなみにおれは勝ったZE!」
「負けたよ・・・土地詰まっちまった」
「そっか、おれが一歩リードって訳だな!ヒデさんは?」
「ああ、勝ったみたいだぜ。兄貴のヒバリデッキはよく出来てるからな」
外の喫煙所を見るとヒデは友人と談笑している様だ。しかしヒデの友人は見た目がヤクザみたいな人が居たりで絡みに行けない。そのヤクザみたいな人は初心者の頃に対戦した経験がある。
その後もショウは快進撃を続ける。6−0と後1つ勝てば『初日確定ライン』だ。ヒデも6−0でコータは5−1。ユウジは3Bye明けに2連敗するも4−2で“サブマリンのユウジ”の名は健在だ。
そしていよいよ7回戦目が始まる。テーブルの正面に座ったのはどっかで見たことのある顔だ。そうだ、先に行われたGP北九州のチャンピオンだ・・・!
「お、お願いしますッ!」
「お願いします」
相手のデッキは青白ヒバリ。ヒデさんとのスパーで何度も対戦している。しかし。
「《エイヴンの裂け目追い/Aven Riftwatcher(PLC)》をプレイ。2ライフゲインします」
「(・・・クッ、2枚目はきつい)」
GPTin千葉にて『バーンの殿堂』が赤単を全国に知らしめてしまった。その代償がこの《エイヴンの裂け目追い/Aven Riftwatcher(PLC)》。その後も《目覚ましヒバリ/Reveillark(MOR)》により墓地から目を覚ましたエイヴンたちがショウのバーンの届かないライフへと伸ばしていった。通算6−1。
ヒデは安定した実力で7−0の初日抜け確定。コータ6−1、ユウジも5−2とまだ目がある。
第8回戦。普通の大会であれば最終戦に当たるであろうが、ここはGP。当然あと『二つ』だ。
ショウの相手は赤緑ビッグマナ。当然《原初の命令/Primal Command(LRW)》が装備されているこのデッキ、気を引き締めなければならない。しかし、先ほどの敗北に心折れることもなくショウは乗っていた。
「《怒鳴りつけ/Browbeat(TSP)》ッ・・・!」
ライフ4の相手にとっては拷問だ。いつものポーズと共にカードを叩きつける。引いたカードの中には、相手を燃やし尽くすには十分な赤いカードで溢れかえっていた。
「ヒデさん!7−1だッ、抜けましたよ!」
「やるなショウくん。どうやらコータとユウジくんは負けちゃったみたいだが・・・」
紫煙をしかめっ面で吐きながら言った。そんなヒデは未だ負け知らずの8−0。喫煙所にいたショウの知らない仲間たちと軽口を叩き合っているヒデが眩しく見えた。おれも・・・ヒデさんに負けないぞ。
GP静岡初日最終戦。ショウはIDを蹴りガチった。その勢いのまま、事故の所を《原初の命令/Primal Command(LRW)》を打たれ力尽きた。初日7−2でフィニッシュ。
コータも何とか7−2で初日抜け。ユウジは最後勝てばオポ次第で抜けだったが、5−4。
「じゃあショウくん。おれは他の宿だから気を付けてな」
「はい!明日も頑張りましょう!!!」
ショウたち3人は宿にチェックインし、近くのファーストフード店へ。飯にそこまでの金は使えない。
「コータ、勝負の話忘れてないだろうな!?」
「おまえこそ。7−2で並んでの2日目だ。Dropすんじゃねーぞ」
明日はどのサイドイベントに出ようかと考えているユウジはそんな二人のやり取りを羨ましそうに眺めている。
宿に戻ると早起きに加え、9回戦戦い抜いた3人は泥の様に眠りについた。
〜つづく〜
コメント
さり気ない淳也くんですw
>AKKA
ヒデは「あいつはそろそろ勝ってもおかしくない」程の実力ですよw